教える側に時間がない
育成担当が自分の業務で手一杯。教える時間が業務設計に入っていない
週に何時間使えるか数えてみるOJTが属人化している
教え方が指導者ごとにバラバラ。誰につくかで成長速度が変わる
「誰に教わるか」で差が出ていないか評価とつながっていない
教えても評価されず、育っても処遇が変わらない。動機が続かない
育成が評価項目に入っているかこの3つのどれかが残ったままだと、スキルマップを作っても運用が止まる。まず環境側から手を入れる
「人が育たないので、育成体系を作りたい」。支援先からよくいただく相談です。ただ、実際に現場を見ていくと、スキルマップを作っても人が育たない会社があります。原因が体系の出来よりも、体系の外側にあることが多いからです。この記事では、スキルマップの設計に入る前に確認したい「育成の詰まり」を整理します。
スキルマップは「育っていない原因」を解決しない
スキルマップが答えてくれるのは「誰が・何を・どこまでできるか」を一覧で示すことです。一方で、人が育たない会社の詰まりは、たいてい「何を身につけるべきか」の手前にあります。身につけるべきことは現場も薄々分かっているのに、育つ環境が回っていない。ここを飛ばしてマップを作ると、きれいな表が1枚増えるだけで終わります。
よくある詰まりは3つ
支援先で繰り返し見かける詰まりは、次の3つです。
- 教える側に時間がない。育成担当が自分の業務で手一杯で、教える時間が業務設計に組み込まれていない
- OJTが属人化している。教え方が指導者ごとにバラバラで、誰につくかで成長速度が変わる
- 評価とつながっていない。育てても教えた側が評価されず、育った側の処遇も変わらないため、双方の動機が続かない
この3つのどれかが残ったままスキルマップを導入すると、運用が数か月で止まります。逆に、詰まりが解けている会社ではシンプルなマップでも機能します。
設計の前に、現場で確認したい3つの質問
- 教える側の1週間の中に、育成に使える時間は実際に何時間あるか
- 新人が「誰に教わるか」で成長に差が出ていないか
- 教えること・育つことは、評価や処遇のどこかに反映されているか
この3問への答えがあいまいなら、先に手を入れるのは体系ではなく環境側です。
それでも育成体系が要る場面
詰まりが解けたうえでなら、育成体系は「入社から各ステージまでに、何を・いつまでに・どうやって身につけるか」を示す地図になります。指導者ごとの教え方のバラつきが減り、本人も次に何を身につけるかで迷わなくなります。全体像を先に作り込む必要はありません。まず1職種、現場の管理職と一緒に小さく作って回すところからで十分です。
作る順番の考え方は、育成体系化、何から手をつける?(フレームより先に現場を歩く)で書いています。この記事の3問で詰まりを確認したら、次はそちらの順番で進めてみてください。

