育成ツールを増やしても体系化できない、の正体 ── 『1冊の本の目次』に書き出せるかどうか

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「OJTシートも、スキルマップも、1on1シートも、研修テキストもある。なのに、なぜか育成が回らない」――育成体系化の支援に入ると、こういう相談をよく受けます。ツールは増えたのに、育成体系は「散らかったまま」。今日は、その理由と、最初の一歩の話です。

目次

ツールが増えるほど「散らかる」のはなぜ?

ツールは”症状への対処”に過ぎません。「1on1がうまくいかない」から1on1シートを作る。「スキルが見えない」からスキルマップを作る。それぞれは正しい対処です。でも、「何のために存在するのか」「他のツールとどう繋がるのか」が設計されていないと、ツールは増えるのに体系は育たない、という逆説が起きます。

何から始める? 「誰を、何のために」を決めるだけ

最初にやるべきことは一つだけです。「誰を、何のために育てるか」の優先順位を決める。特に中小・中堅規模では、全員一律で完璧な体系を作ろうとすると、まず機能しません。「育てておかないと困る人材」「3年後に育っていないとまずい層」「経営が投資したい役割」――この3つの問いから重点層を特定し、そこから体系設計を始めます。完璧を最初から目指さないことが、逆に体系を完成させる近道です。

ベテランのノウハウを「使える形」にする4ステップ

ベテランの「感覚」を若手に渡すには、「書き出してください」ではうまくいきません。私が実務で踏んでいる順番はこちらです。

1
良し悪しを判断せず、全部出してもらう
2
深掘り
抽象的な言葉の裏にある判断基準を聞く
3
定義
言葉が指す行動を合意しながら進む
4
構造化
コツ・マインド・スキルを別の層で整理

この順番を踏まずにいきなり書き出してもらうと、抽象的なマインドのリストか細かすぎる手順書しか出てきません。若手が「使える」情報にするには、この4ステップを踏むことが近道です。

今日からできる一歩:育成ツールを「本の目次」に書き出す

コンサルに頼む前に、自分たちで試せることがあります。社内に散らばっている育成ツール(OJT資料・研修テキスト・1on1メモ・評価基準・マニュアル)を一箇所に集めて、「一冊の本の目次」として章立てを書いてみてください。そして問うてみてください――「この本の1章目は、誰が・何を・いつまでに身につける話なのか、書けますか?」

多くの方は、この問いで手が止まります。「分類軸が時系列なのか抽象度なのか決まらない」と迷う場面こそ、育成設計で一番議論が必要なポイントです。止まったら、一番育てたい1人を具体的に思い浮かべて、その人の成長物語に時間軸と抽象度を結びつけてみてください。不思議と手が動き出します。

外部に頼むタイミング

ここまでは、特別なツールも予算も必要ありません。自分たちで進められます。そこから先、構造設計や言語化の段階で「うちだけでは難しい」と感じたとき、外部の手を借りる選択肢を持てばいい。AMARIELLEでは、育成体系化の「繋ぎ方」の設計から伴走しています。支援内容はこちら、より深い体験談はnoteの記事でまとめています。

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この記事を書いた人

人材紹介会社でMVPを重ね、後に組織開発部の立ち上げを経験。「紹介する側」と「仕組みを作る側」の両方を知る立場から、現在は数十名〜300名規模の組織を中心に、採用支援・評価制度設計・育成体系づくりを伴走型で支援しています。奄美大島出身。

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